WJ短編
□鈍感同士の恋
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あの人はいつでも私に愛の言葉をくれる。そう…いつだって。そんなの本心じゃないくせに。
きっと他に好きな人が居て、その子に振り向いて貰えないから代わりに私を好きだと言ってくれるだけ。
私は…ずっとあなたが好きだったのに…。
―バタンッ
「マネージャーちゅわ〜ん!!デザートだよ〜!!」
『サンジさん…ありがとうございます。』
「おや?そんなに目を丸くしてどうしたんだい?」
『サンジさんがいきなり入ってくるからです。』
「ゴメンゴメン。マネージャーちゃんにどうしても早くデザート届けたくてさ。」
『は、はぁ。』
「でもそんな少し驚いた顔も可愛いなぁ〜!!あ、デザート置いておくね。冷えてる間に食べてね。」
『ありがとうございます。』
「あぁ。ところで何か調べ物でもしてたの?みんなと遊ばず部屋に一人で居るなんて珍しい。」
『荷物の整理をしてたら悪魔の実一覧表が出てきたので見てたんです。こんなに種類あるんだなって思って。』
「へぇ〜面白そうだな。」
『結構面白い実とかもあるんですよ。ほら、これとか…。』
「どれどれ…(ズイッ)」
『///?!!』
「おっ本当だ。こんなにあんのか〜。」
『っ…///』
「マネージャーちゃん?顔…真っ赤だけど…。」
『なっ何でもないです。』
「…頬がピンクに染まって…スゲー可愛い…(スッ)」
『///!!』
サンジはマネージャーの頬に手をかけ、目をジッと見詰めた。
「マネージャーちゃん…」
『サンジさ…』
「サンジくーん!!デザートまだぁ〜?!」
『…!!』
「はぁーい!!待っててねナミすわぁ〜ん!!今行くよ〜!!(バタバタ)」
『………。』
行っちゃった…。ナミさんの声が聞こえた途端サンジさんの目が輝いて…やっぱりサンジさんはナミさんが好きなのかな。
私は先程までサンジさんが触れていた自分の頬の熱を冷ますように、デザートを喉に流し込んだ。