忍者短編
□私が私である為に
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「サスケくーん!!」
「ちょっと抜け駆けはなしよ、サクラ!!ねぇサスケくん、一緒にデートしない?」
「退きなさいイノ!!サスケくんとデートするのは私よ!!」
「……ウザい。」
『(…サクラちゃんとイノちゃんはいつもあんなに積極的にいけて良いなぁ。私も自分から話かけられたら良いのに…)』
「おはようウスラトンカチ。今日も可愛いね(なでなで)」
『///!?お、おはようサイくん。』
「顔真っ赤だよ?そんなに照れなくても良いのに。」
『いや、照れてないよ!!それにしてもどうしたの?サイくんのクラスって結構遠いのに…もうすぐ予鈴鳴るよ?』
「今日はどうしても朝からウスラトンカチの顔が見たくてさ。嫌だった?」
『そ、そんな事ないよ!!あの、ありがとう。』
「…ウスラトンカチ可愛すぎ(ギューッ)」
『わぁっ///!?サイくんちょっとあの、えと…』
「また会いにくるよ。じゃあまたね、ウスラトンカチ(ポンポン)」
『う、うん。またね。』
「うん。ゴメン、そこ通してくれるかな…えーっと、ブス達。」
「なっ!!誰がブスですってー?!」
「そうよ!!ブスなのはサクラだけでしょー?!」
「……(スタスタ)」
「全く…サイったらいつもあんな態度なんだから!!ウスラトンカチちゃんにだけは優しいのに他の女子には厳しすぎよ!!」
「本当よ。サイったらこんな遠いクラスまでわざわざ来るくらいなんだから、絶対ウスラトンカチちゃんの事好きよねー。」
「(……ウスラトンカチって…あぁ、ウスラトンカチと喋ってるやつか…まぁ女には興味ねーな。)」
クラスではいつもトップで成績優秀、運動神経も抜群、そして整った容姿でとても目立つ存在のサスケ。
それに引き換え成績は中の中、運動はあまり得意ではなく、容姿も普通で、どちらかと言えば影の薄い存在のウスラトンカチ。
全く真逆の二人だが、目指す夢は"一族の復興"と唯一の共通点があった。サスケはかの有名なうちは一族の末裔、ウスラトンカチは知っている人の方が少ない様な、小さな一族の末裔なのだ。そんな平凡で内気な少女が、自分とは真逆の少年に恋をするお話…。