忍者短編
□俺が俺である為に
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「サスケくーん!!」
「サスケくん隣に座っても良い?」
「サスケくんお菓子作って来たからあげる!!」
「(…はぁ。毎日毎日ウザい。)」
あの忌々しい事件以来、俺は人との繋がりは極力絶つようになった。昔は友達と呼べる存在も何人か居たが、また信じて裏切られるのが怖かった。あの優しくて大好きだった兄貴の様に…他の奴等もいつかは俺を裏切り、見捨てるんじゃないか…そう思うと独りの方が楽だ。
「ねぇサスケくん、一緒にデートしない?」
「退きなさい、イノ!!サスケくんとデートするのは私よ!!」
「…ウザい。」
サクラとイノか…この二人は特にうるせーな。髪色もそうだがこの性格からしてクラスでは目立つ方だと思う。俺はもっと静かな奴が良いんだが…。
「誰がブスですってー?!」
「ブスなのはサクラだけでしょー?!」
サスケが考え事をしていると、サクラとイノが騒いでいた。何となく耳を傾けていると、ある少女の名前が出てきた。
「(ウスラトンカチって…ウスラトンカチと喋ってるやつか…まぁ女には興味ねーな)」
サスケは横目でウスラトンカチを見てみた。特に目立つタイプでもなく、成績も飛び抜けているわけではないので、今まで関わった事はなかった。
…確かウスラトンカチも一族を滅ぼされ一人きりなんだったな。俺と同じ悲しみを知る者…それはあのウスラトンカチもそうだが、何故あんなに優しい笑顔が出来るんだ?今まで気にした事もなかったが…ウスラトンカチなら俺を変えてくれるかも…。