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□すれ違い
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授業が終わると、志摩が燐に近寄る。


「奥村くん、今日暇ー?」
「おう!」
「なら、ちょっと行きたいところがあるんやけど……」
「なら、付き合ってやるよ」


そんな会話を雪男は授業で使った物を綺麗に片付けながら聞いていた


(兄さん、今日は夕飯買いに行く約束、忘れたの……?)


「じゃ、3時によろしゅう」
「おうっ!」


志摩と離れ、一人になった燐にゆっくりと近寄る雪男


「?、雪男?」
「兄さん……今日は夕飯買いに行くって約束したじゃない……?」
「あー、そんなんあったなー」

何か、ばつがわるそうに頭をポリポリかきながら目を泳がせる燐。

「今日は、久しぶりに二人で買いに行けるんだよ?」
「まー、いいじゃんか、明日で」
「また、兄さんはそうやって……」



「あ、時間だ! またな、雪男!」

雪男が全て話す前に燐は無理やり割り込み、そそくさと話しを進めて去っていった。


「……」


雪男はただ後ろ姿を見るだけで、その場から動けなかった
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