短編、中編

□【 】なエンド
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「好きっ!likeじゃなくてloveの方で大好きっ!!」
とテニス部の奴らが周りにいるのにも関わらず大声で俺に叫ぶ名前は俺の彼女。

「ハイハイ。俺も名前の事スキやで」
なんて適当にあしらう

「わぁー、冷めてるわぁ…」
メッチャしかめっ面の名前は、眉間にシワを寄せている。
可愛い顔なのに。


「な、オサムちゃん明日空いてるやろ?」

「おう。空いてんで」

「じゃあデートしよっ」
こればかりは周りに聞こえないように俺の耳元で言った。

「ほんなら俺の家でええか?」

「うんっ!!」

目の前でそんな可愛らしい笑顔、見せつけんといてや。
襲ってまうで。








俺は渡邊オサムで四天宝寺のテニス部の顧問やっとる。
んで俺が大好きな彼女は"名字名前"

歳は14。テニス部のマネージャーで財前と同じ中学2年生でクラスも同じ7組。

教師と生徒。
いわば禁断の関係になる


テニス部のやつらにはバレんようにいとこや言うてる

財前だけは気付いてるけどな。



「ほな部活行こか。」

「うんっ!行こう」
当たり前に俺の手を握って歩きだす。
あ〜かわええ。
はよ卒業して俺と結婚しようや。その前に名前を貰うけどな。











「すまんっ!部長の俺が手伝えんくて」

「大丈夫っ!白石先輩も大変でしょ?」

「ホンマすまんな!こんど美味しいチーズリゾット奢るわ」
顔の前で手を合わせて謝ったあと手をふって部室から出て行った白石さん。



はぁ…
あんな事言ったけど一人でこの仕事をこなすのは大変やな…

テニス部の皆が居なくなって静まり返った部室に一人でマネージャーとしての仕事をこなす。

「明日、なに着ていこっかなぁ」
シャーペンで書くおとが響くなか名前のつぶやきも部室にひろがる。

「ロンスカか、短パンか…」

「淡い色か、濃いいろか…。どーしよっかなぁ」


「ま、俺的には上がボタン式のシャツで、下はスカートやな。」

「うーん…そうしよっかな!」
「…!?」
部室に自分しか居ないのに他人の声が聞こえた事に今更きづいて、効果音がつきそうな勢いで後ろをみる。


「オサムちゃん!?」

「気づくん遅いで、名前」
名前しか居ないハズの部室なのに目の前にはオサムちゃんがいる。

「なんでオサムちゃんおるん?皆、帰ったんちゃうん?」

「ま、一応教師やから残らなアカンかってん」
ホンマにいらん職や。
教師やなかったら堂々と名前と過ごせんのにな。ま、今はその余計な職のおかげで名前と2人きりやねんけどな。

「オサムちゃんみたら元気でたわ!残りの仕事も頑張れそうや!」
せやからそないな笑顔みせんなや。
今の状況分かっとんか?
部室っていう密室の中で2人きりやねんぞ。しかも恋人どうしや。ちょっと油断しすぎちゃうか?
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