短編、中編
□サドはマゾに混ざる
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「丸井くんはS?M?」
「え……?」
「え、じゃなくて聞いてるんだけど」
ただ今、中庭。
目の前にいる女は俺がたった今、まさに今、告白したやつだ。
そして付き合ってくれるか聞いたら逆にSかMか聞かれたのだ。
…なぞ過ぎる。
どう答えれば良いんだ…?
「で?どうなの?」
「…SでもMでも無い…」
「…そんな人はいないんだけどなぁ…。まぁ大抵はそう言う人がMなんだよね。だから私が丸井くんをMにしてあげるね」
「……。」
絶句だ。まさか告白した女がどSだったなんて。
知らなかったし気づかなかった。しかもどちらでもないと答えればあやふやになって良い答えかと思ったのにどうやら、違ったようだ。
むしろ一番悪い答えだったかもしれない。
「……」
「丸井くん!」
「え、あ?なに?」
「何じゃなくて、丸井くんは私に告白したよね?今。」
「あ、うん」
「付き合ってあげようか?」
「…えっ!?」
もうダメだと思っていた。
正直。
「じゃ、まずアンケート。」
「麻縄とビニール紐、どっちがすき?」
「………」
「答えないって事はどちらでもない手錠なんだね」
「そっかぁ…手錠派なんだね」
「手錠はもってないから丸井くんのために買わないとダメだね」
「でも手錠ってすぐに拘束できちゃうからあんまりすきじゃ無いんだよね…」
「でも丸井くんのために頑張るからね!」
「あ、ありがとう」
これは感謝すべきなのか?
…それに名字は手錠は嫌いなのか…。
って!!
すっかりMになってる…
俺!?
どうしたよ俺!?
俺がMになっちまったら
Sの名字にいじめ倒されるじゃねぇか…よぃ。
あぁ…もうガチでどうなるか分かんねえよっ!!
まぁ、付き合えたのはすっげえ嬉しいし、ヤバいんだけど。
…だけど。
これってまさか名字の家デートに行ったら亀甲縛りとかされる訳っ!?
「あぁもう分からんぜぃ!!」
「何が?」
「あ、いやこっちの話」
「言っとくけど毎回丸井くんの事を縛ったりしないよ?」
「えっあっ、おう」
…なんだ。そうなんだ…
って、なんでしょんぼりシてるんだ俺っ!?
…Mになったのか?俺…?
好きな奴がSだっただけで俺はMになるような奴だったのか?
「…イジメて欲しいならいつでも大丈夫だからね。あと丸井くんがMになったのは私が心の奥のマゾを引き出してあげたからだよ?…安心して?丸井くんが、今、マゾになった訳じゃないから大丈夫。」
これは納得すべき話なのかよぃ?
よくわかんねえけど
結果オーライ?
「丸井くん…の事、ブン太って呼んで良い?」
「おう!そうやって呼んでくれた方が嬉しい」
「そっか、ブン太」
「…名前」
名前よんでニコって笑う名前可愛すぎだろい。
頭なでたい。
良いよな。撫でても。
「名前、好き」
「ありがとう、丸井くんっ」
めっちゃ可愛い。
名前の性癖がどうでも、好きなやつと付き合えて嬉しいしどんなでも可愛い。
まじで好きだろぃ?
サドはマゾに混ざる
(名前縛って下さい)
(様が抜けてるよ?)
(名前様罵って下さい)
(っていう夢をみた)
(…天才的じゃねぇ…)
†††††
Happy birthday!
ブン太っ!
4月20日。
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