長編(幸村・謙也)
□ストーリー1
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愛の無い夢が美しいと思うかい?
秩序の無い繁栄が、幸せそうに見えるかい?
物事の本質を知らなければ、本物の喜びを感じる事は出来ないよ。
俺だから分かる事。
誕生日がいかに嬉しいか。
ケーキがなくても、プレゼントがなくても。
それでも3月5日という、幸村精市の生まれた日が大切な理由は俺しか分からない。
悲しい事があっても辛い事があっても、流れる歳月があるだけで幸せなんだ。
上記の俺の考えは、"今"の考え。
そしてその考えを教えてくれた"大切な人"はもう居ない。
ありがとうも言えないまま、消えてしまった彼女。