長編(幸村・謙也)

□ヘタレ1
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名前の前に座ってポテトをたべる。今日は名前が飲むジュースが何時もとちがう。
「今日はね、謙也にとっても大事な話があるから付き合ってもらったんだ」
少し沈黙が続いたけどいきなりの名前の言葉でやんだ。
何も話さずにいきなり今日の目的であろう話が始まった。


「なんや?」

「謙也は今、好きな人いる?」
何言うてるんや。
俺ら付き合ってるやん。

「何で…?」

「あ、いや、えっと……」
俺の言葉に明らかに動揺してる名前。
動揺したいのは俺やねんけど…

「…別に謙也に好きな人が居ないならそれでいいよ」


そんなん!俺は好きな奴が居らんなんて言ってない!
俺は自分の気持ちをちゃんと伝える事は出来てないけど…
せやけど、俺は名前が好きや


「……」
頭の中ではいくら言えても…。
今だって凄い大切な言葉を音にして名前の耳に届けれてない。

俺は水を飲んだ。
少しで良いから勇気をつけるために。そしたら俺は名前が好きやっていう。ちゃんと好きな人はいるって。
そしたら次は俺からデートにさそう。
「…や…んや!!…謙也っ!!」

「え!?」

「どうしたの?ボーっとしてたよ」

「あ、いや何でも無い」

「そ?なら良いけど」
また一口、水を飲む。
飲みすぎてあと少ししか残ってない。
緊張するなぁ。

「さっき言ったじゃん?大事な話があるって」
なんかその言い方は、よくドラマである私…子供出来たの!みたいな言い方やな。
まぁ絶対そんなんあり得ん。
だって俺ら手を繋ぐ事しかしてないから。
でもよくあるドラマみたいに良い話ならエエな。




俺の希望通りに良い話にはなってくれなかった。
よくあるドラマの話であたってたのはシリアスな方だった。
ほら例えを出すなら、引っ越すから遠距離だねとか、好きな人ができたから別れようとか。


俺の場合は例え話に似ている。

『別れない?あと…引っ越すからたぶん今別れなくても別れちゃう……』

絶句やった。
そんな話をサラッと言わんといてや。
良い話だと思ってた、ぶん落差は激しかった。
酷かった。
何でやねん。遠距離になっても好きやったらそれでいいやん。
別に別れなくていいし、別れへんし。
何を心配するん?大丈夫やって!俺は別れたくない。









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