長編(幸村・謙也)
□ヘタレ4
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いっつも付けていて貰えるようにシンプルな物を選んだ。
それには小さなハートがついている。色は赤色。そのハートの隣には鳥がついている。
星にしようかと思ったけどそれは俺の趣味すぎてやめた。
名前にバレないように会計を済ませて店を出た。
近くの公園で休憩する。
ベンチに座る俺らの距離はゼロ。座ってもまだ手を繋いでる。
今までのが一気にきているみたいだ。
今までも一様は恋人やったけど今からがホンマの恋人や。
別れが決まった今日からが恋人としてのスタート。
どこにデートするわけでもなく、イチャイチャする訳でもなかった俺らの記憶は白い。
笑いあった事もない。
その白い記憶にはこれから色を塗ればええ。
例え別れてても、大阪と東京でも。侑士が名前とデートしてようとも。
どんな色でもいい。
俺と名前の白い記憶が鮮やかになればええ。
あえて、上から白を塗ってもええやん。
これからは俺がヘタレを卒業するためのトックンをしながら名前への愛を形にしよう。
そん時は俺からもう一度、告白をする。
ノートを千切って震える手で書いた音のない
「すき」
より、名前の目を見て最高の笑顔を向け大音量の
『愛してる』
が贈れるように。
俺はこれからの思い出が詰まる予定のこのリストバンドに誓うで。
to
be
Continue…
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