長編(幸村・謙也)

□ストーリー4
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部員達が見舞いにくる時間も忘れて名前の病室で話していたりだってした。
そうすると必然的に部員は名前の事をしる。
本当は名前を部員の誰にも知られたくなかった。
だって皆が名前の事を好きに成りそうだから。
赤也とか特に。
名前はきっと赤也のタイプの女の子なんだ。
だって俺の見舞いに来ているのにいっつも名前と喋るんだ。
それを俺はモヤモヤした感情で眺めるだけ。
部員達と会う回数が増えて行くにつれ、メンバーの顔と名前を覚え始めた名前。
いっつもニコニコ笑って、部員達とはなす。
名前と喋るとあの真田までもが笑うんだ。
皆、気を引かれているのか知らないが何かしら名前に話しかける。


蓮二だって綺麗に書いたノートを俺に渡すついでに、赤也から範囲をきいた、と言って勉強を教える。
俺の病室は個室だから部員が少しくらい騒いでもいいし、小さなテーブルくらいは置ける。
だから、そこで蓮二は近すぎるんじゃないかって位な顔の距離で名前に勉強を教えている。
名前は純粋だし、たぶん蓮二が考えているようなやましい気持ちはきっと一ミリも無いんだろうけど。
だけど俺は、二人の間に入って邪魔をしたくてしかたがないんだ。俺だって勉強は得意な方だけど、蓮二みたいに完璧ではないし、教え方なんて、もう絶対蓮二の方が上をいくだろう。






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