短編、中編
□ホワイトぴんく
1ページ/1ページ
席がえで班長に頼みまくって隣にしてもらったけど、緊張して中々はなす事ができない。
本当は席と席の間をゼロにしたいけど、現在は5p〜10pの距離。
引っ付きたい。
だけど羞恥心とかその他の問題で実行はできていない。
(どーすりゃ良いんだ…)
毎回の授業は教科書ひらいて、ノートだけとって、先生の話は頭に入った直後に流れでる。
そして、浮かぶのはどうやって話しかけようか。
モヤモヤした気持ちでいると腕に消しゴムが当たって、下に落としてしまった。
(最悪……拾うのメンド)
仕方なくで拾おうとしたら、手にはもうひとつ他の手の感覚。
(ん?)
顔をあげて見ると名字だった。
「っ!////」
急いで手を離したけど、まだ暖かい感触が残っている。
そこは熱をもってドクドクと血が流れるのが分かった。
「「ごめんっ!」」
二人同時に重なる声。
恥ずかしくなって、お互いに目をそらした。
(やっべ。可愛すぎじゃん////)
もう一回名字がみたくて、チラッて見てみたらまた目があってしまった。
(なんで名字までコッチみんだよ……////)
互いに恥ずかしくて変な空気になってしまった。
沈黙が流れる。
この時間は意識しあっていた。
きっと名字も俺で頭がいっぱいになってるはずだ。
「……あのさ、消しゴム…、ありがとな」
なんとか紡ぎ出した言葉。
勿論目なんか合わせれなくて。
「うん…////」
急に体の熱が上がってすっげえ熱い。
あーこれ絶対、赤面してんじゃん。
つか全身真っ赤なんじゃねって位……
名字の事、いっそう好きになったかも。
名字も俺を意識してくれ〜!
そしたらこのまま仲良くなれるかな?
んでデート、なんて甘い妄想しても良いかな。
…やっぱ今デートに誘おうかな。
(この消しゴムは宝物決定。)
†††
向日くんの手、熱かったなぁ…
……でも私も熱かったかも。
だって少しドキドキしてたから。
.