短編、中編

□赤とオレンジに染まる空
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『お前、ほんと可愛くねぇ』

「切原に言われなくても知ってるから。」

『あーそうかよ。』

なんて。
いつもの会話。

切原と喋るといつもこうなる。
なぜか喧嘩口調で、最終的には黙りこむ。

で、また話せば喧嘩。


なんだろね、これ。

逆バカップルみたいな?
とかなんとか苦笑い。

てか、この正体が分かってたら苦労はしてない。


最初から喧嘩してやろう、なんて思ってないのにやっぱり喧嘩。


本当はヤダ。


すっごく嫌。


切原に話しかける女の子は皆可愛い。
…切原が可愛い子好きってのもあるけど、


けど、その子達は顔だけが可愛いんじゃなくて
性格も可愛いんだ。


あぁ、勿論それが本物の可愛いかは知らないけど。


だけど私からしたら嘘でも可愛いを演じれるのは羨ましい。


天然で可愛ければなおよし、なんだけど。


あーあ、何処かに可愛い女の子の着ぐるみ落ちてないかな。
それをかぶって切原と喋りたい。


口元に手をやって、クスッて笑うんだ。




はーー。
そんなの到底無理だよね。

切原がストパになるくらい無理な話。


現実みなよ。


せっかく隣の席なのに、喧嘩ばっかりで
笑う時は口をひろげて下品に。
おまけにガサツでブサイク。


あー可愛くなりたい。

可愛くなったら切原は私を好きになってくれるのかな。
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