長編小説

□僕らの愛に不可能はない!
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※色々とキャラ崩壊注意!
※ほぼギャグで作者のテンションに任せて書いています。






4月始めの春真っ盛り。ここ都内にある銀魂高校では入学式が執り行われようとしていた。続々と真新しい制服に身を包んだ人間が校門を潜り抜ける中、そこに同じく受験という難関を突破し、この高校の入学を勝ち取った土方十四郎という男が校門前で佇んでいた。

(やっと俺にも春が来たか)

しみじみと感慨深げに学校を見つめ中に入ろうとしない俺に周りが訝しげな視線で見てくるが他人の目なんてどうってことはない。常ならば睨み返す所だが今日はしない。それ程までに現在機嫌は頗る良い。今なら自分の好物である土方スペシャルを誰かに奢ってやってもいいくらいだ。
脳内に広がるのは充実した薔薇色の学校生活。新しいクラスに溶け込み次に好きな部活に入って良い後輩や先輩達に恵まれそしてマヨ好きの(ここ重要)可愛い彼女を作る。プランは練った。後は隕石が落ちてこない限り大丈夫だ、きっと。
待ってろよ!俺のスクールライフ!
俺は期待に胸を高鳴らせながらいざ校門を潜り校内に足を踏み入れた。


だがその直後世の中そう甘くはないと知らされることとなる。









「土方さあああん!!来るの遅いですぜ!俺待ちくたびれやした。あっそれより俺達同じクラスでしたぜ!これってやっぱ運命ってやつですかねィ。そう思いますよね土方さん?」

入学早々制服を着崩し待ってましたとばかりに俺の名前を親しく呼んできた甘栗色の髪をしたそいつを前に俺は漫画の如くずっこけた。周りからおー!と拍手が起こるほどの見事なずっこけ方だった。ってか何でお前ら拍手してるの?頭上から「何やってるんですかィ。もしかして感動の再会に嬉しさのあまりずっこけちゃいました?」と勘違い乙!な言葉が聞こえたが依然地面に伏した俺は衝撃のあまり言い返すことも立つこともできず地面に水溜まりを作った。水溜まりは水溜まりでも純度100%体内で作られた塩水が溜まったものである。人間の身体は60%が水分で出来ているというが本当なんだなと思う。その証拠に止めどなく目からは水が流れているではないか。大きな水溜まりを作る俺に周りの人間が何事だとばかりにざわつきこちらに注目しているが今は睨み返しはしない。これは機嫌が良いからではない、目の前の人物の登場に脳内がパニックを起こしているからだ。
現実を認めたくない俺はこちらを不思議な様子で見つめる奴に蚊も鳴くような細い声で問いかけた。

「お前………沖田か」
「嫌だなぁ。昔のように総悟って呼んでくだせェよ」

ニッコリと天使のような(俺には悪魔に見えた)微笑みを見せた奴に俺の想像していたスクールライフがガラガラと音を立て崩れ去っていく。隕石ならぬミサイルがやってきた…。校内に足を踏み入れて僅か数分で俺は今後のことに絶望を持った。






今の心境を一言と言われれば絶対こう答える。

転校したい。



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