儚いからこそ美しい
□ブラザーコンプレックス
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俺は小さい時に捨てられて施設で育った
だから、両親や家族の事は一切知らないし、興味もなかった
なのに、この状況はなんなんだろう…
同じ顔の男に抱き締められながら、俺は考えてしまった
ことの始まりは1時間前まで遡る
久々に休みを取れた俺は、自分の育った施設を訪れていた
レ「おひさー、元気だったかい?」
「あ!レイヴン!!」
「おじちゃん!!」
レ「ちょ、おじちゃんじゃないわよ!?」
「おかえりなさいレイヴン。元気でしたか?」
レ「ただいまシスター。この通り元気だよ」
「今日はお休みですか?」
レ「そうよー?やっと休みをもぎ取れたからね、様子を見に来たのよって、イタタタタ!!?」
「レイヴン!遊ぼ!!」
「おままごと!!」
「えー!!戦隊ヒーローがいいよ!!」
レ「わかったわかったって…痛いっての!!お前らー!!」
「「おにごっこだあー!!」」
暫く子供達と遊んでいると、シスターに呼ばれた
「レイヴン、お客様ですよ」
レ「え?俺に?誰だろ」
「はい。シュヴァーンさんと言うらしいのだけれど…」
シュヴァーン?誰だ?
知らない名前に警戒しながら玄関まで行った