芯樹〜シンジュ〜

□LEMONed。。。
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 その紙切れは、端に破いたような跡があった。
ご丁寧に、ユリエの顔写真、住所、生年月日、果ては家族構成まで書かれている。
この攻撃的な筆跡は、明らかにヒル魔のものだった。
 これが脅迫手帳でなくて、何なのか…。
「ユリエ、これ、どうしたの?」
 まもりが問うと、ユリエはうつむいたまま、「私のロッカーに入っていたの…」と、小声で呟いた。
 いぶかしそうな顔をする咲蘭とアコを気にもせず、まもりは「どうして…」と、誰に問うでもない呟きをもらした。
「ねぇ私……完全に嫌われたって事?」
 ユリエの声は、震えていた。
目からは、涙がぼろぼろとこぼれる。
 泣き出してしまったユリエを、困惑しながら、咲蘭とアコがなぐさめた。
 まもりは、ヒル魔のこの不可解な行動を、どうとらえて良いか解らず、とにかくユリエをなだめるように努めた。



 放課後になり、まもりはいつもより早く部室へと急いだ。
 案の定、部室には午後の授業をまるまるサボったヒル魔だけがいた。
ノートパソコンを開いて、こちらに背を向けて足を組んで座っている。
 まもりがドアを開けても、無関心で、こちらを見ようともしない。
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