書庫

□花は純
1ページ/1ページ

「花。花。」
『ん…。あ、お兄ちゃん。おはよぉ…。』
いつもと同じようにおでこにキスされる。
「よし。おいで。」
お兄ちゃんの腕の中は気持ちいなぁ…。また寝ちゃいそう…。
「はい。立って。着替えて。」
お兄ちゃんから離れるの寂しい…。
『やだぁ…お兄ちゃん…。』
「まだ眠いの?」
『ねむい…。』
口を尖らせて言ってみた。
「じゃあイチゴミルク作るっていったら?」
『やったぁ!準備してくるっ。』
イチゴミルク♪イチゴミルク♪
ブラウスー。スカートー。カーディガンー。ブレザーっ。えりをたてて、リボンを付ける。最後にスカートを3回まくって、膝上5cm!よし、おっけぇ!
『お兄ちゃん!着替えたぁ〜!』
「花。スカート短い。」
『短くないよぉ〜。』
「だーめっ。」
スカートを全部おろされる。
「お前は可愛いんだから。」
『お兄ちゃんが一番だから大丈夫!』
お兄ちゃんに抱きつく。お兄ちゃんもギュッてしてくれた。
ピンポーン
あ、来ちゃった!準備してないっ!
「はい、花。気を付けてな。」
お兄ちゃんが準備をしてくれていたみたい…。
『行ってきます♪』
「行ってらっしゃい。」
急がなきゃっ。
『明斗―!おはよっ。』
明斗に抱きつくと硬い体が強ばる。でも落ち着くなぁ…。
「おい。」
体を離された。まだギュッてしていたかったけど、手をつないでくれたから我慢しよぉー。あ、でも、
『待って。』
指をからめる。
「お前これ好きだな。知っててやってんのか?」
『…?どゆこと?』
だめなのかなぁ。
「なんでもねぇ。顔あげろ。」
あごをクイと上げられ唇が重なる。
「学校行くぞ。」
『明斗―。もう1回―。』
1回じゃ足りないよぉ…。

「だめ。行くぞ。」
むー残念。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ