novel

□rouge lune
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ある夜−−−−−





「はぁ………」


ユイはベッドに横たわりながら深々とため息をついた。



逆巻バンパイア一家の屋敷に来てから一ヶ月が過ぎようとしていた。


自分の血が彼らの餌になることは重々承知していた。
実際、幾度となく兄弟たちに吸血され、首まわりには牙の跡がいくつも残っている。


(別に血を吸われるのが嫌ってわけじゃないけど…)
一ヶ月経ってもやはり慣れない。



(特にアヤトくん………)



逆巻家のトップ・逆巻アヤトの吸血のしかたは少し特殊だった。

例えるなら、猫が餌に食らいつくように深く、しかし愛情というものは全くないような、そんな吸い方をしてくるのだ。
他の兄弟とは一線を画すような吸い方をユイは今でも忘れられずにいた。


(……あぁ…まただ…)


血を数回吸われた後、アヤトと他の兄弟との吸血の違いに気付いたユイはそれからというもの、ふと気がつくとアヤトのことをいつも考えてしまうようになったのだ。



(…私は、変、なのかな…)
吸血される事を快感に思えるなんて………。





その時。





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