Harry Generation

□クィレル教授
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そうしてリオ達はロンドンへと出発した。
ハリーはロンドンへ行くのは初めてだったらしく、行き方がわかっていないようだった。
ハグリッドはどこに行くのかだけはわかっているらしかったが、そこへ向かう途中の行動は、普通の人とはまったくかけ離れたものだった。地下鉄の改札口が小さすぎてつっかえたり、席が狭いの、電車がのろいのと大声で文句を言ったりしていた。
ハリーを見ると、ハリーも同じ事を考えていたようで、二人で顔を見合わせて苦笑した。
「マグルの連中は魔法なしでよくやっていけるもんだ。」
故障して動かないエスカレーターを上がりながらもハグリッドは文句を言う。外に出ると、そこは店が建ち並ぶ賑やかな通りだった。
ハグリッドが人混みを掻き分けながら歩いて行き、後ろにリオとハリーがついて行った。やがて、ハグリッドは立ち止まった。
「ここだ。」
「『漏れ鍋』_有名な所だ。」
暗くて薄汚れた店内は適度に人が入っていた。
すると、バーテンは、グラスに手を伸ばし、「大将、いつものやつかい?」と聞いた。
「トム、ダメなんだ。ホグワーツの仕事中でね。」
すると、バーテンはハリーと私の事をじっと見て、
「なんと...こちらが.....いやこの方々が.......」
バーテンの様子に気付いた「漏れ鍋」の客達は話すのをやめ、「漏れ鍋」は急に水を打ったように静かになった。
「やれ嬉しや!」
バーテンは囁くように言った。
「ハリー・ポッター...それにリオ=ジゼル=ダンブルドア...なんたる光栄...」
バーテンがそう言って私達と握手をすると、他の客達も握手を求め、椅子から立ち上がった。
リオ達は次々と握手され、どうして良いのかわからなくなってしまった。
けれど、リオは気づいていた。
(あの人はここにいるはず...)
「あの人」とは、クィレルのことである。
実際、あたりを見回すと、クィレルは輪に入れずうろたえていた。
(や〜っぱり!!!)
リオはちょっといたずらしてやろうと思い、クィレルに声をかけた。
「すみません。ホグワーツのクィレル教授ですよね?」
少し声をかけただけなのに、クィレルは少し飛び上がって、オドオドしながら、
「わ、わ、私が、いかにもクィ、クィ、クィレルだが。」
と言った。
すると、クィレルに気付いたハグリッドは、ハリーとリオにクィレルを紹介した。
「クィレル教授!ハリー、リオ、ホグワーツのクィレル教授だ。闇の魔術に対する防衛術を教えちょる。」
ハグリッドがそういうと、クィレルは神経質そうに笑って言った。
「こ、こんにちは。み、ミスター・ポッター。そ、それに、ミス、ダンブルドア。」
クィレルは、ハリー達ともっと話したかったようだが、そこまで話すと、ハグリッドが、
「すまねえが、教授、今日は急いどるんでな。今日はこれで失礼するよ。トム!中庭を借りるぞ。」
と言って中庭に入って行ったため、そこでクィレルと話すのも中断され、リオ達も中庭へ入った。
中庭に入ると、ハグリッドがレンガを押し、アーチが完成していた。
見ると、リオがずっと行きたいと思っていた、ダイアゴン横丁だった。
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