Sirius Generation

□ホグワーツ特急(1)
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「リオ〜もうすぐ汽車が出発しちゃうわ!急がなくちゃ!!!」
リリーはそう叫んだ。
リオは足が速い為、走っているリリーに追いつけるが、セブルスは足が遅いので、汗だくになりながらリリーとリオの後を追った。
リリーと汗だくでフラフラしているセブルスのトランクを係員に預けた後、リオもトランクを係員に預けた。
リリーは、
「セブルスと一緒にコンパートメントを確保しておくから!!!いくわよセブルス!!!」
と言って先に汽車へと乗り込んでしまったが、はたして二人は大丈夫なのだろうか...
ボーッとそんな事を考えながら歩いていると、汽笛が鳴り響く。
顔を上げると、ゆっくりと動いている。

え...???動いてる???何で???

一瞬物事を理解できなかったリオだが、理解して...顔色が真っ青になる。
慌てて汽車を追いかけた。すると、どこからか...窓が開いた。
そして...リボンの様な物がこっちへ向かってきて...気づくとコンパートメントの中にいた。
「えっ?私...」
周りを見渡してみると、男の子が四人、リオを見ていた。
「大丈夫?」
そう言われて振り返ると、鳶色の髪の毛をした男の子が、心配そうな顔をしていた。
「助けていただいてありがとうございます。えっと...」
「あぁ、僕はリーマス・ルーピン。リーマスで構わないよ。よろしくね。」
「こんにちは、リーマス。私はリオ・ジゼルです。」
リオがそう言うと、ハシバミ色の髪をした男の子が
「へぇ!!!ジゼルってあのジゼルかい?あ、ちなみに僕はジェームズ・ポッター。ジェームズでいいよ。」
と言った。

『へぇ!!!ジゼルってあのジゼルかい?』

私は『あのジゼル』とか、『ジゼル家の子』とか、『ジゼル』の肩書きをつけて呼ばれるのは大嫌い。上辺だけは敬っている感じで。でもどこか軽蔑しているみたいで。

「...えぇ。『あの』ジゼルよ。でも私、ジゼル家の肩書きをつけて呼ばれるのは嫌いなの。だからリオって呼んで?」
リオは怒りをはっきりと示したつもりだったが、ジェームズは悪びれる事もなく
「あぁごめんごめん。でも良かったじゃないかシリウス!!!ここにも純血嫌いがいるよ!!!」

シリウス???どの人だろう...
振り返ると、今まで窓の外を眺めていた男の子が顔を上げた。

「あぁ、俺はシリウス・ブラック。俺もブラックの姓は嫌いだから、シリウスでいい。」

すごくかっこいい男の子だな、と思った。
黒髪がはらりと目にかかっていて、何処か品の良い感じがした。
だけど_
不思議。何処か懐かしくて、哀しい。

「...こんにちは、シリウス。ところで...さっき、私電車の方へ走ってたら、窓が開いて、リボンみたいな物がこっちへ向かってきたの。それで気づいたらここにいた。あのリボンみたいなものは何?」
「あぁ…あれはさっき俺たちが開発した〈カメレオンの舌〉って悪戯道具だ。」
「悪戯道具?あなたが作ったの?
凄いわね!!!軽い姿現しと姿くらましの魔法かけた???」
リオとシリウスが話しているところにジェームズが割り込んできた。
「そうだよ!!!まあ僕は天才だからね。これくらいなんともないさ!」
「このアイデアを考案したのはピーターだよ。」
リーマスが言った。
「あぁ!あなたが考えたの?良い発想ね。あ、私もリオでいいからね。」
ピーターは真っ赤になってモゴモゴ小さな声で「ありがとう」と言った。

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