black/white
□出会い
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〜A side〜
空が赤くなった。
でも、これは空の色ではない。自分の血の色。
薄れゆく意識、胸に突き刺さった氷柱、動じることのない目の前の青年。
答えたとき返事はしてくれなかった。
でも、分かった。
聞こえていたんだ…
自分の言葉を聞いてもらえた。
それが分かって少しホッとした。
意識が飛んでいく。空が赤から黒に変わる。
一瞬、さっきまで見えなかったあの人の顔が見えた。
何か不満そうな顔でじっとこちらを見ていた気がした。
何故あんな顔をするのか分からなかった。
もう一度見たい。
けど、もう何も見えない。