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□非日常
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〜B side〜
微かに上下に動いていた胸の動きが完全に止まった。
呼吸が止まったみたいだ。
赤く広がった血だまりの真ん中に氷柱が刺さったまま動かなくなった子供。
「死んだか…」
今までいろんなのを壊してきたが、笑って死ぬ奴なんて初めて見た。
せっかく、スカッとしたと思ったのにあれのせいで台無しだ。
「ちっ…ホント、ムカつくぜ」
子供の死体に背を向けて歩き出す。
(結局、何もおもしろそうなものは無いか…)
数歩歩いたとき、背後から何かの音がした。
音が気になり振り向く。そこには、
「なっ……」
生きている奴がいた。
目の前の光景に言葉が出てこない。
俺とあれ以外、生きている奴なんていないはずだった。
ちゃんと確かめた。
あれもさっき殺した。
なのに、何故だ?
何故、殺した人間が動く?
そんなの分かりきっている。
死んでいないからだ。
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