Chimeric Book

□桜ながれ(仮)
2ページ/28ページ





森の左側から 軽い足音が聞こえた




(生い茂る森のなかで 硬い地面を歩く音なんで 聞こえるはずがねぇ)



半信半疑 眉間にシワを寄せて 草木をかき分けていくと




幼なじみに似ているいつかの海軍将校の飼い犬が歩いていた。



「あ・・・・・・・」






「おまっ・・・・・・」






「なんでここにいる! ですか!」




さぁぁ とそよ風が 吹き
後ろにある 森が鳴いた。




短い沈黙を破ったのはゾロ




「あぁ? あんたに答える暇はねぇんだ。」




「なら私もです。 この島の鍛冶屋に用があってきたので。」




「・・・・・な!  おまえもか・・」




「・・・・! あなたもですか・・・
 なら 追い抜かされるわけにはいきませんね・・・」



たしぎは少し坂になっている道を走り出した。




「あっ・・てめっ・・・・!」




ゾロも負けじと走り出した。



うっそうとした森を闇雲に歩くよりはかなり楽。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ