小説 裏通り

□本当の幸せの日々
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私は四季君のおかげで本当の幸せを見つけることができた


本当の友達、本当の愛を手に入れる事ができた


四季君には本当に感謝してる


優しくて明るくていつも笑わせてくれる四季君


大事な大事な私の友達


大好き



でもね、私四季君の事をどうしても恋人として見れないの

だって私、兄さんみたいな人がタイプなんだよ


兄さんと四季君は性格が真反対唯一の共通点は優しい所だけ

兄さんみたいな物静かで爽やかでスポーツもできて真面目で硬派な人が好きなの

ごめんね、四季君…

それでもずっと友達でいてくれるよね?




2年後〜

四季君と2年間住んでたアパートを飛び出てさらに2年の月日が流れた


私は21歳になった
愛する人と結婚もして子供だってできた


幸せの絶頂だ


四季君はどうなんだろう?
幸せになってくれてるよね、きっと…


私はその日、後1ヶ月で1歳になる子供を抱えて、公園に散歩に来ていた

すると…

思わぬ出会いがあった

四季「咲夜ちゃん」

咲夜「っ!!四季君っ!」

四季「ははっ、奇遇だね!こんな所で会うなんて!」

咲夜「そっ、そうだねっ!びっくりしちゃったよ…アハハ…」

奇遇なんてものだろうか?
私はちょうど1年半前関西人の旦那と大阪に引っ越したのだ

なのにこんな所で会うなんて…

四季「わぁ、可愛いねっ!赤ちゃんっ!抱かしてっ!」

咲夜「うっうん、いいよ」

色々話したい事もあったが…
とりあえず私は寝ていた赤ちゃんを彼に抱かせてあげた

四季「わぁ、柔らかいね〜ふよふよだ」

咲夜「ふふふ…」

四季「可愛い男の子だね〜」

咲夜「…ぇ…」

四季「あはは、夕季〜」

…どうして男の子だってわかったんだろう…

それに夕希って…

咲夜「あ…四季君、その子の名前は、孝夜よ?タカヤ君って呼んであげてね」

四季「可愛いね〜夕季〜」

咲夜「…?…?」

彼がかなり不気味に思えた
意味が分からない…怖い…
ゾッとする…

昔の彼の太陽のように眩しかった笑顔がどす黒く濁っているような気がしたのだ

咲夜「いや、返して…」

四季「夕季〜もう少し大きくなったら、一緒にサッカーしような、パパが教えてあげるよ〜」
パ…パ…?

四季君がおかしいよ…
怖い怖い怖い怖い怖い怖い

咲夜「返してって言ってるじゃないっ!!」

私は赤ちゃんを彼から無理やり引き離した



四季「あ……」


私は彼が恐ろしくなり
走ってその場から立ち去ってしまった


マンション−

孝夫「おっ、帰ってきた」

咲夜「あ…ただいま…」

孝夫「…どうしたん?顔色悪いやんか」

咲夜「あ、あはは、何でもないよ…ごめんね心配かけて、ちょっと疲れちゃっただけ…」

孝夫「……ならええんやけど」

咲夜「ふふ、今夕御飯作るね」

孝夫「ああ、頼むわ…」


私が夕御飯を作るときはいつも孝夫には孝夜と遊んでもらっている


孝夫はとても優しくて、性格が私の兄に似ている


地元は大阪なのに意外と物静かな所とか、今時めずらしく硬派で一途な所とか


孝夫に四季君の事を相談しようとも思ったが、余計な心配をかけたくなかったから黙っておく事にした


咲夜(それにしても四季君…様子がおかしかったな…)


皆でご飯を食べたあとシャワーを浴び眠りについた
四季君の事を思いながら


翌日−

いつものように私は、孝夫と孝夜に朝ご飯を作った

そして孝夫は出勤

私は家で育児と家事の両立をする

これがいつもの日常だった

毎日がとても楽しく、とても幸せだった

咲夜(こんな日が一生続きますように…)


そんな事を思っていると、ふと遠くから見られているような気がした

咲夜(気のせいよね…)
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