◎two mini story
□The fifth anniversary / 2min
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「ごめん、そうだよな」
綺麗な顔を歪ませて謝り
今度は笑顔で僕の手を握る。
「……うん、」
そんな事されたら
僕はもう言い返すことなんて出来なくて。
「テミナ、良い匂い」
そのまま僕の膝に倒れてきて目を閉じる。
そんなヒョンに良いようにされてる様な気がして
対抗したいんだけど
「……ヒョン、重たい」
これくらいしかできず
「じゃあ、退こっか?」
悪戯なこのヒョンに
「……退かないでいい」
結局は、やり返されちゃう。
「テミンは素直じゃないな」
「そんなことないっ!!」
目を閉じたまま
僕の膝の上で笑って僕をからかうのに
「まぁ、そんなとこも好きだけど」
「……//」
さらっと告げる僕への言葉。
その照れを隠すようにして
ミノヒョンのさらさらな髪に指を通す。
「ヒョンの新しい髪色、綺麗だね」
前と微妙な違いだけど
少し赤みがかかった髪の色がヒョンの肌に合ってる。
「ん、ヘアメイクさんと相談したんだ
そしたら自分で決めていいって言われたんだけど
今まで決めたことなかったから迷っちゃって。」
「でもミノヒョンの色の選択すごい良かったね
似合ってるもん」
日本デビューの時期、
僕の髪も赤っぽかったな、なんて
勝手に共通点を発見して気分が上がって
「あ、結果、決めたの俺じゃないんだ」
「へぇー、スタイリストのヌナ?」
ただ疑問に思ったことを口に出したら
「オニュヒョンに決めてもらった。」
僕の指がヒョンの髪にひっかかると同時に
「いたっ!!」
「……え、?」
僕の心にも嫌で面倒なものが引っ掛かった。
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