◎two mini story

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「寒っ……」



昨日は暖かかったから
いつもより薄着にしたのに。


天気予報ちゃんと見とけばよかった
なんて思いながらマネヒョンから飛行機のチケットを受けとる。




今日は日本での収録だからそんなに飛行時間は長くないのだけど
やっぱり疲れるのは疲れる。



席についたとたん寝ようとフードを被り目を閉じたのも束の間





「ん…、ぁれ、、ミノヒョン」




強すぎなくて心地よい香水の匂いが香ってきて
すぐにミノヒョンだよー、ミノヒョンがきたよー、と体が反応する。




「起こしちゃった?」




僕の顔を見て、ごめんなといい頭を撫でる。





「ううん、平気
でも何でいるの? 1つ遅い便じゃなかった?」




なんかヒョンだけユナヌナのドラマの挨拶に
行くとかなんとかかんとかどーとかこーとかで
別便の予定だったはずなのに。





「あぁー…、早めに抜けた」


「えぇ、いいの!?」




悪戯をする子供のように不敵な笑みを浮かべ
シーっと人差し指で驚く僕の唇を押さえたミノヒョン。




「だってさ……」





立ってるだけで絵になるヒョンから
そんな事されるだけでも、もう心臓バクバクなのに





「テミナと少しでも一緒にいたかったから」


「………っ///」




寂しそうに思わせ振りな甘い言葉を吐かれたら
惚れない方が可笑しいでしょ?




「もう、、信じれない…
後で社長から怒られても知らないからね」




恥ずかしくて視線を逸らし、思ってもないことを口にする。




「晩御飯さ一緒にラーメン食べに行こう
今ちょうど美味しそうな店探してるからさ」




僕の言うことになんか耳も貸さないで
携帯に目線を落としながらひたすらラーメンを検索してるし。






「うん、いいよ」




でもいいんだ。



例え僕の声がミノヒョンに届いてないとしても。





「じゃ、オニュヒョンも誘おうか」




「ぇっ……、」




例え僕がミノヒョンにとって特別な存在じゃなくても…?





「どうかした?」




ちょっとでも期待した僕がバカだったのかな



けど、僕はそんなの




絶対に嫌だ。





「ミノヒョンと……二人がいいっ、、」






思わず漏れた小さな、いや大きな本音を





「オニュヒョンと喧嘩したの?」





鈍くてどうしようもないヒョンが
MAX勘違いだけど、ちゃんと聞いててくれて





「なら、今日は二人で行こう」





優しい笑顔で覗き込んでくる。





「…うん、!」



「よしっ、じゃぁ何処が良い?」




検索した画面を僕に見せてくれると同時に頭をコテンと僕の肩に乗せてくる。


韓国では普通なこの動作も
相手がミノヒョンだったら僕にとって全く別のものになるんだよ。





「えーとね…」





ヒョンはちっともそんな気はないんだろうけど。




今はまだいいや。






「テミナ、ここは? 凄く美味しそう!」









この笑顔を一番近くで見れるだけで。




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