◎two mini story

□微かなカオリ / 2min
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「……ふわぁ〜」



「こら、前もいったのに」



「えへへ、ごめんごめん^^」



「反省してないだろ、」





思わず出てしまったアクビで
大きく開いた口許をヒョンが隠してくれる。

まだここは楽屋なのに。

前に一度注意されてからこのパターンがお決まりになった。


やる度に毎回注意されるけど、直す気は更々ない。




だってミノヒョンが僕に構ってくれるんだもん。
こんなに手っ取り早い方法はないよね。







「ね、ミノヒョン
今日帰ったらゲームしないっ?」





こうやっていつも二人で居られる理由を探す。

僕の気持ちとは対照的に
今はまだ一緒に居たいなんて言えない関係だしね。






「あー、悪いけど今日はちょっと…」





残念だけど仕方ないね、
って言えるくらい僕は大人じゃなくて。


どうせまたなに、ギュラインとかいうのでしょ。





「ちぇー、ケチミノヒョン
そんなんだからヒョンは彼女できなんだよーだ」





勿論そっちの方が僕にとっては都合が良いし
ヒョンに彼女ができたりなんかしたら……

ああ恐ろしい。
考えただけで身震いがする。





「ごめんごめん、今日は早く帰るよ」





ミノヒョンは笑いながら
僕の頭をぽんっと軽く叩き席を立った。





「……嘘つき」





いつもそういって僕を期待させるけど
きちんと早く帰ってきた日なんてないくせに。



それでもまだ僕は期待をしてる。


だってまたほら



僕の胸の鼓動が速くなった。




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