薄桜鬼
□狐に嫁入り
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「…調子はどうだね、沖田君」
「………別に、昨日と変わり無いですよ」
沖田の返事に、松元は暗い顔を見せないよう、無理矢理笑顔を作る
「…さて、今日の――
『そーーちゃーーーん!!!!!!!』
声を遮り、勢い良く襖を開けた白に、二人は目を剥く
「何だね!! 君――
『総ちゃん、総ちゃん‼ 会いたかった‼』
またもや、松元の声を遮り、ゆっくりとその身を起こした沖田に抱き付く
「…白ちゃん?」
すりすりと胸元に頬擦りする白に、沖田は驚いた様に目を開くが、それも一瞬、直ぐにダルそうにその表情を歪める
『……総ちゃん、具合悪い?』
「…そうだ、だ――
『うっせ禿げ、テメェに聞いてねぇよ!!』
三度目の遮りに、松元の額に青筋が走る
『…ん〜、労咳…かな』
疑問系ではあるが、白は確信を持って言っている様だ
「……よく、わかったね」
うつむき、悔しそうに拳を握る沖田の頬を両手で包み、顔を覗き込む
その瞳に浮かぶ、悔しさ、焦り、不安、悲しみを読み取り、白は笑みを浮かべる
『…助けてあげよっか?』
「………えっ?」
驚く沖田にもう一度、ゆっくり問い掛ける
『助けて、あげようか』
コクリと頷いた沖田に、白は満足そうに笑った
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