薄桜鬼

□狐に嫁入り
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『…どうする?』

粗方説明を終え、白は沖田をじっと見つめる

「僕が妖狐に…」

『半妖だけどね、俺は医術なんて解らないから、総ちゃんを助ける事がそれしか出来ない』

ごめんね、としょんぼりする白に、沖田は笑う

「狐になろうが、鬼になろうが、例え化け物になろうとも、僕は近藤さんの為に闘う、それが僕の生きる意味だ」

『そっか、じゃあ』

「助けて、くれるんでしょ?」

『もちろん、じゃあ…泉の真ん中迄行こっか』

「……え?」

ニッコリ、狐の姿でも分かるくらいの笑顔で白は酷なことを告げる

『裸でよろしく』

「………僕病人だよ?」

『…掟だもん、しょうがない』

ニコニコの笑顔で言われ、沖田は諦めて服を脱ぐ

『褌も脱いでね‼』

「は?!」

『郷に入れば郷に従え、だよ』

「…クソ」

少々自棄になりながら沖田は身に付けている物を全て脱ぎ去る

『いいお尻だ』

「…五月蠅い!!」

羞恥で赤くなりながらも、泉の中に足を踏み入れる

『あ、総ちゃん総ちゃん』

「なに?」

返事に棘が含まれているが、白は気にしないで泉の淵に立つ

『俺の毛2、3本持ってって』

毛を取ろうと、沖田が近づくと

ペロリ

有ろうことか、白は舐めたのだ、沖田の大事なところを…

「ひぁ!? ………このっ変態ギツネ‼」

ブチブチっ‼

『いった‼ 禿げちゃう‼ 禿げちゃうよ総ちゃん!!!!』

「知らない」

ぷいっとそっぽを向いて、沖田はザブザブと泉の真ん中に立つ

『…ちぇ、………じゃあ総ちゃん、覚悟はいい?』

「…いいよ」

沖田の返事を聞き、白は呪文を唱え始める

「…!!」

淡く、泉の水が光り出す

光りはどんどん強くなり、沖田を飲み込む






暫くして、ゆっくりと光が収まっていく

『…総ちゃん!』

泉の中で倒れている沖田の元に走る

その身体には、しっかりと狐の尻尾と耳が生えていた



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