短編

□16歳になったから
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ピピピッピピピッ…

アラームを止めたついでに日付をチェック。

―3月8日

大切な日。

大好きなあの子の誕生日。

今日の公演で生誕祭をする。

でも私はお仕事で出られない。

どうにか出られないかとスタッフさんに相談した けどダメだった。

だから、公演が終わったらあの子と会う約束をし た。

生誕祭に出られないのは残念だけど、誕生日当日 に直接会って「おめでとう」って言えるから嬉しい 。

そんなことを思いながら、るんるん気分で身支度 をしていた。

そのときは、まさかあんなこと言われるなんて思 っていなかった…

*…*…*…*…*…*…*…*…*…*

そろそろ終わったかな?

そう思って待ち合わせ場所に向かった。

向かっている途中あの子から電話で今から向かう と言われた。

同じくらいの時間に着くかな…

そんなことを考えているうちに待ち合わせ場所に 到着した。

まだあの子は来ていない。少し座ろうかな…

近くのベンチに座りあの子を待つ。

「…ちゃーん!!玲奈ちゃんってば!!」

ボーッとしていたらあの子が叫びながら走ってき た。

「遅くなってごめん!!いこっ?」

そう言ってさりげなく手を差し出す私の恋人―珠 理奈は本当にかっこいい。

「うん。あ、珠理奈 誕生日おめでとう。」

差し出された手をギュッと握りながら伝えたかった ことを伝えた。

「えへへ ありがとっ!!チュッ」

「っ//ちょっ…ここ外!!」

「別にいいじゃんかー。誕生日くらい好きにさせ てよーっ」

全く…この子は本当にズルい。

かっこいいと思ったら可愛く甘えてきたり…今度 はさりげなく私を車道側から内側に移動させたり …ズルい。

「ねぇねぇ玲奈ちゃん!!恋人繋ぎしよっ!!ニコッ」

眩しいくらいの笑顔でさらっとすごいことを言う 珠理奈。

「え…//は、恥ずかしいよ…//」

「えーいいじゃーん…」

「うぅ…わ、わかったよ…いいよ//」

やったー!!って喜ぶ珠理奈。

本当に無邪気だなぁ。

「珠理奈、お腹空いたでしょ?何か食べよっか。」

「お腹ペコペコだよー…どこ行こっか…」

そうは言っても、ファミレスくらいしか見当たら ない。

「ファミレスしかないね…ファミレスでいい…?」

「全然いいよっ!!玲奈ちゃんと一緒ならどこでもい い!!えへへ」

近くにあったファミレスに入り料理を頼んだ。

食べている間、色々な話をした。

今日の公演の話、高校の話…そして…

お互いに食べ終わったころ、ずっとニコニコしな がら喋っていた珠理奈が突然真面目な顔をして話 し出した。

「玲奈ちゃん…今日はありがとう。すっごく楽し かった。」

「うん…そんなに改まってどうしたの…?」

「16歳になったら言おうと思ってたことがあるん だ。」

「な、何?」

悪い予感がして変な汗がでる。

「あのさ…」

「うん…」











「玲奈ちゃん…私と…私と結婚してください!!」

「え…?」

頭が真っ白になって理解できない。

結婚…してくださいって言った…?

「玲奈ちゃんとずっと一緒にいたい。何かあった らあたしが玲奈ちゃんを守る。あたしには玲奈ち ゃんしかいない。だから…って言っても日本じゃ 結婚できないから結婚できるようになったら、な んだけどね…」

嬉しかった。私のことを本当に想ってくれてるん だって思ったら涙が頬を伝った。

「れ、玲奈ちゃん!?ごめん、嫌だった…?」

「ちがっ…違くて…嬉しい…ありがとう…」

「じゃ、じゃあ…」

「こちらこそ…お願いします…//」

「本当にっ!?やったー!!玲奈ちゃん大好きっ!!」

「声大きいよ珠理奈//」

「あっ…ごめん//」

まさか告白されるなんて思わなかった。

珠理奈の誕生日なのに、まるで私が誕生日プレゼ ントをもらったみたい。

「玲奈ちゃんっ。そろそろ出よっか?」

「そうだね。私払うよ。珠理奈の誕生日なんだし …」

「えっいいよ!!あたしが払うよ!!」

「だーめ。これくらいはさせてよ…ね?」

「じゃあお言葉に甘えて…」

外に出てから真っ暗な道を二人で歩く。

もちろん恋人繋ぎで。

「あたし…幸せだなー」

「え?」

「大好きな玲奈ちゃんとずっとこうしていられる なんて幸せすぎる!!ってことで玲奈ちゃん!!」

「は、はいっ…!!」

「誓いのちゅーしよ!!」

「はっ!?てか誓いのちゅーって…」

「誓いのキスは結婚式のときにするの!!だから今は 誓いのちゅー(´ 3`)」

「ふふっ…何それー」

「はい!いいからいいから!!こっち向いて玲奈ちゃ ん。」

「ん…」

「玲奈ちゃん…大好きだよ…」

「私も好き…」

チュッ

「へへっ//」

照れて顔が真っ赤な珠理奈。

多分私は珠理奈以上に真っ赤だと思う。

このまま…ずっと一緒にいたいな…あっ…そうだ …

「…今日うち来る?」

「行ってもいいの?」

「うん…明日オフでしょ?」

「うん!!やったー!!」

久々に珠理奈をうちに誘った。

このまま別れたらなんだか寂しいから。

それに、大切な日はあと二時間位で終わってしま うから。

今日だけは、いや、これからもずっと一緒にいさ せてね、珠理奈。

16歳おめでとう。大好きだよ。

大好きだ君が大好きだ 僕は全力で走る 大好きだずっと大好きだ 声の限り叫ぼう 大好きだ君が大好きだ 息が苦しくなるよ しまっておけない 大声ダイヤモンド

絶対に君を絶対に 2度と放しはしない 絶対に誓う絶対に やっと巡り会えたんだ 絶対に君を絶対に 幸せにしてみせる 聞いてほしいんだ 大声ダイヤモンド

大好きだ君が大好きだ 僕は全力で走る 大好きだずっと大好きだ 声の限り叫ぼう 大好きだ君が大好きだ 僕の愛しさよ届け 大好きだずっと大好きだ 風のなかで叫ぼう 大好きだ君が大好きだ 息が苦しくなるよ しまっておけない 大声ダイヤモンド
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