12/19の日記

11:50
徐庶逆とり
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「ただいま」

「おかえり。
外は寒かっただろう。
ココアを飲むかい?」

「うん。ありがと。」

「砂糖は?」

「いらない。」

「どうぞ。」

「ありがとー
はあ、あったかい。」

コップを両手で包み、安らぐ彼女の隣に腰をおろす。
彼女は美味しそうにココアを飲みリラックスはしているが、その瞳にはどこか影がある。しかもそれは今日に始まったことではなく、少し前からだった。

「……何かあったかい?」

彼女は両手を少し強ばらせた。

「ええと、何だか最近はずっと辛そうに見えたから……」

彼女の片手をコップからはがして包み込むと、ほんのりとまだ冷たかった。

「大丈夫よ。」

伏せ目がちに微笑み、誤魔化そうとする彼女に少し、苛ついた。

「俺なんかには教えてくれないのかな。」

「話すほどのことでもないもん。」

「……」

「そんな目しないでよ。」

「はあ……
研究が上手くいってないの。
教授も冷たいし。
嫌になっちゃう。」

彼女はそう言うと、こちらにもたれ掛かってきた。彼女の頭が俺の肩にのる。冷たい髪の毛が頬を掠める。

「でもね、同期や先輩は優しいし、助けてくれる。
何より、家に帰ったら元直さんがいる。
辛いけど、大丈夫。」

何よりも幸せそうに俺の名前を出す彼女はとても可愛くて、

「俺なんかが君の支えになるなら、それはとても嬉しいことだ。」

強く抱き締めたら、また彼女は幸せそうに笑った。

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