ぐほっ
□華アワセ
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「ロオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォドオオオオオオオオォォォォォォォォォォ・・・・・・オハヨ」
「ドアを壊すな大声上げるな抱きつくな、って何回言わせたら満足するんだこの愚弟ィ!!!!」
あ、どうもはじめましてロードっていいます。
この悪の組織っぽいところでバーテンしてます。
ボスの側近してます。副料理長トミーロッドさんの姉してます。いやはやどうも。
「あのさあモーニングコールだかなんだか知らないけど、とりあえず目覚ましがわりにドア壊して私の名前をシャウトして全力でタックルしてくるのやめてくんない!?しかも毎日毎日毎日毎日い!!!
あと今何時だかわかってる?朝の4時だよ近所迷惑だよ。私睡眠時間2時間じゃんどうすんの!」
「だめだった?」
「悪びれもなく言うなやあああああああああああああ!!!」
冒頭からもわかるとおり我が弟トミーは自他共に認める超シスコンである。はっきり言うとものすごい迷惑。
モーニングコールはまだいい方で、私が接する人間や場所や物までも入念にチェックし(しかも無駄に細かく。それを仕事に活かして欲しいものだ全く)、彼のNGゾーン(私にはイマイチ基準がわからん)に触れるともれなくそれらが木っ端微塵に破壊されるという、迷惑極まりない社会現象が発生ている。
昔は良かった。私が他の人と遊ぶと、その人が翌日までに半殺しの目にあうという平和的な嫉妬で。
でも、今は、まあ、・・・皆様のご想像にお任せします。
「ロードロードロード」
「はいはーい。ロードですよー」
姉の着替えの最中にも平気で居座る弟の呼びかけに対し健気に返事する私、まぢ最高。
「今日は何の日か知ってる?」
「九月最後の日の次の日」
「そういう意味で言ってんじゃねーよ」
じゃあ何の日だ。本気でわからん。
「今日はロードの誕生日だよ!」
あったねえそういうの。
「というわけで何が欲しい?」
「・・・トミー」
セクハラってみる。
「もう持ってんのにどうやって渡すんだヨ」
冷笑されたし。つーかトミーは私の所有物だったの?だとしたらどんだけ持ち物に舐められているんだ私。
「えーと・・・答えないとダメかな」
「ダメに決まってんダロ」
「・・・じゃあフルーツタルトで」
「りょーかい。
てゆうか早くボクにご飯食べさせてよ。口移しで」
「誰がするかあ!!!ほら、早く口あけて。あーん」
「あーん」
今日の夕飯は虫タルトか・・・。やれやれ。