「世界の落としもの」数年後設定
IF双子兄恋話・Jr.sが主人公のお話です
―――僕って天才かもしれない。
良く晴れた誕生日、父親から手渡されたプレゼントを手に、天啓のように閃いたアイデアを思い、彼は自分をそう評した。
まだしばらく先の、両親にとって大切な記念日。
子供に出来ることは限られており、これまでは乙女座の宮主に花を分けてもらった花を贈るくらい。
もちろん父母共に大層喜んではくれたが、少しばかり大きくなった彼としてはもうそろそろもっと違う何かがしたかった。
これを使えば、それが叶うかもしれない。
しかし、本当にこれで良いものか。
彼は半身にそのアイデアを提案してみた。
「すごい!とっても素敵!!やろう!」
双子の妹も、その提案に諸手を上げて賛成してくれた。
しかし、これを形にするには、少なからず大人の手助けが必要。
少し自信がついた彼は、次に叔父へと相談した。
「へぇ、粋なこと考えるじゃねえか。」
海色の瞳を細めたジェミニの片割れは、ぐりぐりと甥っ子の頭を撫で付ける。
「任せとけ。やるだけやってみろ。」
そして、まだ自信に満ちた、とは言えない小さな背中をぽんっ!と押してくれた。
「うん!ありがとう!」
小さな顔に、父親よりも母親に似た笑みを乗せて。
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