SSL☆大奥学園

□SSL☆大奥学園はじまるよ〜☆@
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大奥学園へようこそ〜〜〜〜〜〜






 朝  8時30分。


 学園の外に次々に停まる高級車の数々・・・・・。
 一斉に外へ出る運転者達・・・・。
 誰もが皆同じ動作で、後部座席のドアを開けて礼をする。

 ブランド物の磨かれた革靴がまぶしい。
 
 そして・・・・



 「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 
 途端に女子生徒の喚声が聞こえ始める。どの女子生徒もここの学園の生徒ではなく、ほぼ他校の女子生徒である。


 「永光様〜〜〜!!素敵!!こっち向いて!!」

 先頭を歩く、まるで絵に描いたような綺麗な男子が女子生徒に手を振る。
 色素の薄い茶色の髪が太陽に当たってキラ  キラ輝きこれもまた美しい。

 「あぁっ!!なんて美しいの!!うちのクラスの男子がもう豚にしか見えない。」
 
 「いいえっ、もうミジンコだわ。ああ、私もこの学園に入れたらっ・・。」

 「この学園のイケメン達を堪能するために毎日遅刻しても、苦にならないわ・・!」


 女子生徒の様々な叫び声があちらこちらから、聞こえてくる。これも毎日のことである。


 そう、ここはあの、歴史のある徳川財閥が運営する「大奥学園」。
 貴族の中の貴族しか入学出来ない、エリートの中のエリート学校。
 しかし、他とは違うのはエリート階級だけでは簡単に入学出来ないのだ。
 入学に試験はなく、全て書類選考。
 家柄だけではなく、男子も女子も容姿端麗でないと入学出来ないという、伝説の学園なのである。


 しかし、何故か・・・男子が8割に対し、女子は2割しかいないという疑問点が世間では噂され、
 学園長である、徳川財閥の嫡女である「徳川 家光」が書類選考時に女子生徒を落としているらしいとか・・?


 どちらにしろ、ここは他校の憧れの学園。誰もが一度は夢見る華の楽園。

 そんな美形揃いな生徒を一目拝もうと、毎日こうして他校からほぼ女子ばかりが長い列を作り、男子生徒達を
  待ちわびているのである。


 そして、隣の学園寮からのんびり歩いてくるアイドル並みの容姿の二人が姿を表す。


 「きゃぁあぁぁぁぁぁ!!」

 またしても携帯のフラッシュと共に奇声ともいえる声があがる。


 「た、たか鷹司様がいらしたわ・・・・!!!隣の夏津様と一緒に歩いてるなんて、、、かっこよすぎ!!」

 「本当心臓とまりそうだわっ、鼻血でそう、私・・・。」


 けだるそうに姿を見せた鷹司と夏津がきゃあきゃあ喚く女子生徒達を睨みつける。

 「毎朝、懲りもせず、よく来れるよな。本当・・うぜぇ・・。」

 「俺にはゴミにしかみえねぇな・・。」

 ため息交じりで呟く鷹司の横で、女子生徒を睨みつけながら夏津が言い放つ。

 

 「きゃぁっ。もう駄目、あの獲物を狩るような視線にやられちゃうわっ。」

 「ぁぁ、夏津様にひざまずけとか、言われたいっ!!」


  しかし、女子生徒はそんな夏津の目つきさえも魅力的にしか捉えない。もはや・・・病気だ。


 そこへ一台のリムジンが物凄いスピードで鷹司達の真横を過ぎ去り、門ギリギリで停まる。


 「またかよ。いい加減、歩けよって感じだよな。」
 鷹司がため息交じりで呟く。

 「・・・・俺にはどうでもいい」
 夏津は興味なさそうにし、音楽を聴き始める。


 しかし、女子生徒達がそのリムジンを見つけた途端に、一瞬にして静まり返る。
  静かにリムジンのドアが開き、一人の童顔の男子が顔を出す。

 咄嗟に鼻を手で覆う女子生徒達。
 
 「かっっ、可愛い過ぎて鼻血でそうだわ私・・。」

 「我慢しなきゃ駄目よ!!火影様っ・・!!ああ、あの方になら殴られてもいいわ!」

 意味不明な言葉を発しながら、女子生徒達、学園の生徒達が一斉に壁際に一列に並ぶ。
 
 鷹司と夏津も面倒だが、余計な事に巻き込まれたくはない為か、一緒に壁際による。


 童顔の男子が辺りを警戒しながら、もう一人の助手席の男に合図を出す。

 「家光様。どうぞ」

 合図を受けた男性が車から降りると、後部座席に回り、そっとドアノブに手をかける。



 「くうっ・・。あの、お付の稲葉様も紳士的で素敵よねっ。」
 「本当、あの方に起こされてみたいわ」

 女子生徒達のヒソヒソと喋る会話はこうしてる間にもとまることはなかった。


 そしてゆっくりとドアが開かれ、後部座席に座っていた女子生徒が稲葉という付添い人の手を取りながら、
 降り立つ。

 艶やかな黒髪が風でなびき、顔立ちの整った色白で美しい女子が姿を表し、一瞬にして回りを魅了する。

 「ごくろうだ、もう行け。」

 この現代には似つくわぬ言葉を放ち、周りを見渡す。
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