明鏡止水

□砂の偽り
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「フフッ、がーあらっ!」
「……」


後ろから飛びつくように抱きつく。


「……」
「あれ、反応なし?零ちゃん悲っしぃ」
「……オレに近づくな」
「なんで〜??」
「忠告したはずだ」
「オレに近づくな、としか言われてないも〜ん!」
「殺すぞ」
「もう我愛羅ッたら!殺すぞっていうまえにさっさと殺しちゃえばいいのに、殺さないってさーぁ」


我愛羅の耳に顔を近づける。


「私のことが好きなのかな?」


ボソっと我愛羅に聞こえるぐらいの声でいう。


そのとたん、瓢箪の砂が外にでてくる。


それに気づき、早足で我愛羅から距離をとった。


「照れ隠し?かぁわいい!」
「馬鹿なことをいうな……」
「オレは君の事が好きだっ、って感じで告白してー!」
「オレはお前のこと殺したい」
「いやぁな告白だことっ」


砂をいつものようによける。
我愛羅の砂は所詮我愛羅の意思であやつっているようなもの。
我愛羅の行動パターンをしっていればなんともない。

……まぁ、絶対防御はちと面倒だけど


「私はさ、我愛羅のこと好きだよ?」
「刺客がなにをえらそうに……」
「本当に好きだよ。ずっと一緒にいたい」
「……」
「だから、我愛羅の命を次の新月のときにいただくから」


その瞳にはなんの迷いもなかった。
殺気にみちている目だった。


「それじゃ、ばいばい?」


ボワンッ
と煙をたてながらきえる。

影分身だったらしい。



「零……。お前はいったい何がしたい……」


その声はまるで、見えない何かをにらめつけているような声だった。
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