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□第二羽
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その頃砂には…木の葉から三人の忍がやって来ていた。
ナルト、サクラ、カカシだ。
サスケの姿はない。
「サクラちゃんの準備が出来次第、出発だってばよ!」
「ナルト、ちょい待ち」
カカシが言った。
「その後“暁”の追跡はどうなってるんです?」
「追跡はカンクロウが単独でしていたこうなった。他はいない」
「…では、完全に見失ったということですか?」
「ああ、そうだ」
バキが悔しそうに言った。
「ん〜、では、カンクロウ君が戦った場所まで案内してください。こう見えても、私、追跡のプロでして…少しでもニオイが残っていれば」
「その必要はないぜ…敵は三人…我愛羅を連れてる。我愛羅のニオイを追えばいい」
カンクロウが起き上がっていった。
「カンクロウ!大丈夫か!?」
「ああ、少し、楽になってきた…」
「カンクロウよ…その3人のうちの1人がサソリであったことは間違いないのじゃな?」
砂の忍のチヨバアが言った。
「ああ…赤砂のサソリだと…自らがそう言った…そして…」
「?」
「そして……。あいつもいた…」
顔を異様にしかめるカンクロウ。
「あいつ…?」
サクラが不安げに聞く。
しばらくカンクロウは考え、ついにいうことを決意した。
「…泉……零……。あいつは………暁だ…」
カンクロウの言葉に目を見開くナルトとサクラ。
「なんで……」
「嘘でしょ…。零は!大蛇丸のもとにいるのよ!!?確かにあの日そういったの!!あの子は……あの子は!!確かに口も性格も悪いけど……私に嘘をついたことはなかったわよ!!!?」
「零ちゃんがあんな犯罪者の組織いるわけねぇ!!!」
取り乱すナルトとサクラ。
それを片目にカカシはどこか思い当たるふしがあったのか、なにか考え事をしていた。
「(……零はたしか…、俺と最後にはなしたとき……俺のことを「カカシ」って呼んでたな……。零…お前は本当に……、でも……そんなこと……ありえない…。死んだやつが生き返るなんて……)」
「俺も……あいつが暁にいるなんて思わなかった……!あいつが我愛羅を……っ」
カンクロウは顔をふせ、静かに涙を流す。
「けどよ!零ちゃんは!」
「ナルト…」
カカシがナルトの言葉を制した。
「カンクロウの言っていることは本当っぽいよ」
「カカシ先生まで!」
「…あいつは、きっと己の忍道のために動いてる……」
「己の忍道?」
「大切なものを守る…、それなら自分の手でも汚す……それがあいつの忍道だ…」
カカシはどこか遠くを見るように言った。
「な、なんでそんなことカカシせんせーが知ってんだよ!」
「あいつはおそらく、生き返った人間だ」
「なっ
「俺の話を聞け…。
あいつは俺が13ぐらいのときに死んだ人間だ。その人間がなんで生き返ったのかは知らないけど……、そのときのあいつはよく「大切なものを守る……たとえ自分の手がよごれることになっても…」そういっていたんだ……」
そのせいであいつはあの時死んだんだよね…。
カカシはそこだけ心の中でつぶやいた。
「死んだ人間が生き返るはずないってばよ!」
「…一つの可能性をあげたまでだ。俺も人間が生き返るとはおもっちゃーいない。穢土転生だとしても、あいつはなに一つかわっていない。眼もとが赤のままだっただろ?サクラ」
急に話をふられ、ビックとする。
「ぅ、うん…」
頷きながら反応する。
そのサクラをナルトは悲しそうにみた。
「なら
「カカシせんせー」
「ん?」
「俺ってば、そんな難しい話よくわかんねぇー…。そんなの零ちゃんを連れ戻して聞けばいい話しだってばよ!」
二カッと、サクラを安心させるために笑う。
それはやせ我慢だとだれがみても明らかだった。
「ぜってー、零ちゃんは俺たちが取り返す!!」
そうナルトたちは決意した。