novel

□Tの標的/幕が上がる
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「しおーん!! 可愛いコに花あげてきた!」
「……」
「うん、なかなかの可愛さ。ちょっと口説きたくなるくらい」
「……」
「分かってる、忘れてないよ。『運命』もちゃんと手に入れるって。…でも少しくらい楽しんでもいいよね」
「……」


「お客さん来ないわねー」
「そうだね」
亜樹子とフィリップが並んでお菓子を食べている。今日は金平糖か…じゃなくて。
「そこにいるだろ。思いっ切り」
その横にちゃっかり座っている沙羅さんを指差した。
「だって解決してるじゃない。元依頼人よねー」
「ねー」
俺たちは何もしてねえけどな!
つーかすごい馴染んでるんですが。意気投合して二人で首かしげて笑うくらいには。
「最近はドーパントも減ってるし、風都が平和になる日も近いわね!!」
無駄に偉そうに言ってのけた亜樹子のことは放置して相棒に問いかける。…金平糖、うまそうだな。
「フィリップー、あの黒いフードの奴のこと分かったか?」
「いや、全く。キーワードが少な過ぎる」
「ふーん…」
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