novel
□鳳仙花
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「ホラホラ、見てよこんなのあった」
「ウワッ、何だコレ。ビックリ箱?」
「石柱…かな? 何に使うんだろ」
「ん、コッチにはチェスセット」
「欠けてるなー…ナイトとクイーン」
ひっくり返されたオモチャ箱よりヒドい部屋。
物色しながら呟くも返事はなし。
これ、みんなキミに言ってるんだよ?
ねえ紫苑。
撫でても抱き締めても無反応。
表情一つ変えてくれない。
キミは壊れちゃったのカナ?
じゃあオレが直してあげる。
それとも一緒に壊れようか。
『私に触れないで』
『壊れているのは私じゃなくて貴方』