短編

□赤ずきん〜another mix〜
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『すー…すー…ZZZ』

風が気持ちいい。今日の天気は昼寝にはうってつけだ。
さわやかな風が、頬をなでていく。

…空腹を紛らわすには寝るのが一番だ。
しばらく何も食べていない。体力の温存にも寝る事は役立つ。

いつもの木の下で眠りについていた。

その時。

バシッ
『…っ…なんだ?小石?』

驚いて体を起こすと、少し離れたところに三つの影があった。…いつもの三人だ。

『…またあいつらか』

ため息をついて、また眠りに入ろうと横になる。

バシッ、ガッ、ドッ
『〜っ!!なにしやがる!』

〔あ、起きた起きた!〕
〔おはよう、狼さん!〕
〔俺らめっちゃ暇なのよ、一緒に遊ぼうぜー!〕

『誰がお前らなんかと………………っ!?』
もちろん、あいつらと遊ぶ気なんてなかった。
……その手に握られている物を見るまでは。

〔あ〜、そうそう、これさっきそこで拾ったんだよねぇ〜〕
〔真っ赤なずきん!〕
〔狼さん、これ誰の物か知らない?〕

見覚えがあるどころじゃない。
あれは…あの頭巾は…

彼女に……何をした…

〔おっ!遊んでくれるみたいだぜぇ!〕
〔一対三じゃぁ辛いよなぁ?寂しかったら仲間を呼んでもいいんだぜ!一匹狼ちゃん!〕
〔ほらほらー!こっちだぜ〜!〕

『っ…この豚どもがっ!』

〔ははっ!怒った怒った!〕
〔怖い怖ーい!〕
〔逃げろー!〕

『待てっ!』


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