〜陽だまりの詩(ウタ)〜
□私を語る。
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私を語る。私を語る。
わたしはわたしにしか語れない。
だから私を語る。
あの人には私を語れない。
だから私を語る。
例えば私を全て分かる人が現れても、
私の口を開かせて、わたしを語らせることはできない。
わたしが口を開けたいから開ける。
わたしがわたしを発したいから言葉を紡ぐ。
発して、誰かに伝えたいから、口を開ける。
誰かに伝えたいから、口を開ける。
例えば耳が聞こえなくなったとしても。
何も音が出ない喉を動かして、空気の乾いた音を発する。
伝えたいからだ。
わたしを語る。
私を語る。