□彼奴+俺×感情=
3ページ/9ページ

「シカマルは、緑ってイメージだよね」
「は?何を根拠に…」
呆れた顔で訊くと、サクラは楽しそうにクスクスと笑う。

「だから、イメージだってば」

やっぱ女って訳分かんねー。

「私と一緒ね」

一緒?

「いや、どっちかってか、お前はピンクだろ」
「私の瞳は、緑でしょv」

自分の瞳を指して、嬉しそうにほら同じって笑って。

サクラの瞳は、本当に嬉しそうに揺れていた。



もう戻らない日々だ。

くだらないこと言って、笑って、ケンカして、仲直りして、また笑って…

この先、二度と来ることのない日々。


「私ね…結婚…するの」

サクラが、消え入りそうな声でぽつりと言った。
サクラが口にすることで、現実味が増した気がした。

オレもサクラも、お互いの顔を見ない。

「聞いた。サスケとだろ」

感情を出さないようにと気をつけたら、いつも以上に冷たい声になっちまった。


「…でね……明日なの、式」

明日…

「悪ィ、オレ任務だわ」


嘘ではない。

気配でサクラが、オレの方を見たのを知る。

「そっか…」
「あぁ」

カップの中の紅茶を飲み干して、立ち上がる。

「サクラ、もう一杯いるか?」
「いらない…」
「そうか」

明日結婚するっつーのに、何でオレのとこなんかに来たんだよ。

「不安なのか?」

紅茶を準備しながら訊いてみた。
出来るだけいつものように。
土手で一緒に過ごしていたあの頃のように。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ