壱
□私×貴方×家族=
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「今日、家に来ねーか?」
確か私はもうすぐ夏が来るって言ったはず。
・・・家?
家ってシカマルの家??
えっ、でもいきなり何で?
「何か他に用でもあんのか?」
返事をしない私に、シカマルは言葉を重ねる。
梅雨が終わりを告げ始めた穏やかな天気の土手で、私はシカマルの発言の意味することをはじき出そうとフル回転で脳みそを使う。
「親父が母ちゃんにこの間のこと口滑らせてよ。で、母ちゃんがサクラに会わせろってうるせーんだよ」
「この間のこと?」
「五代目の陰謀」
・・・この前のお見合いのことだ・・・・・・
「で、どうなんだ?」
面倒くせーけど、サクラ連れて帰んねーと母ちゃんにどやされんだよと言いながら、シカマルはのそのそと起き上がった。
約束は・・・ある。
でもそんなの構ってらんない!
幼馴染でもない私が、シカマルの家とシカマルのお母さんに会うチャンスなんてないに等しい。
このチャンス逃せるわけがない。
ナルトには、後で謝れば良いんだし!!
「行きたい!」
「オレは、サクラの意志じゃなくて、今日の予定を訊いてたんだけど・・・」
「大丈夫、何にもない!!」
あっそうって呆れた顔でシカマルは言った。
たぶん何でそんなに元気なんだよって言いたいんだと思う。
そりゃそうよ、好きな人のお母さんに初めて会うんだから、気合入れてかなきゃね!
「ほら、シカマル早く行こう♪」
シカマルの腕を掴んで早く立つようせかす。
「別に急ぐことねーだろ、家は逃げねーんだし」
ぶつくさ文句を言うシカマルを引っ張って、私達はシカマルの家に急いだ。