壱
□家族×日常= サクラside
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「こら!つまみ食いしないの!!」
全く油断も隙もあったもんじゃないわ。
「むー、オレお腹すいたー」
「駄目!お父さんきっと早く帰ってくるんだから、帰ってくるまで絶対駄目よ」
「むー」
シマカルとは似ても似つかない顔をする息子はほっといて、シカマルが帰ってくるまでに支度を整えとかなくっちゃね。
「よし!出来た♪」
「食べていい?」
「さっき言ったでしょう?お父さんが帰ってくるまで駄目」
「ただいまー」
「あっ、父ちゃんだ!!」
シカマルの声が聞こえてきたとたん、嬉しそうに玄関に駆けていく息子。
いつもはけちょんけちょんに言ってるのに、やっぱりシカマルが大好きなのね。
「おい、危ねーな、お前」
「大丈夫!」
「お前はな!ったく…」
どうやらシカマルは、走ってきた息子に歩いてるところ腰もとにラリアットをかまされてその上抱きつかれたみたい。
おい歩きにくいんだよ何て言っても、シカマルは決して息子を振りほどかない。
…あんまり仲良さそうなんで、嫉妬しちゃう。
悔しいから絶対言ってあげないけどね。
「お帰り、シカマルvV」
そう言って私もシカマルに抱きついた。
「サクラ、お前まで、危ねーだろ」
シカマルは、顔を真っ赤にして言う。
だって毎朝、これが最期かもしれないって思いながら見送ってるのよ?
こうして会えるのは、私にとってすごく嬉しくて幸せなことなんだもの。
これくらいはいいでしょう、シカマルvvv
「ただいまは?」
「…ただいま」
「ふふふvおかえりなさいvV」
二回目のお帰りなさい、これも奈良家の日課なの。
「父ちゃん、今日ご馳走なんだぞ!」
「ご馳走?」
「そうよ。二人とも手を洗って、早く食べよ!」