壱
□彼女×理想=
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「サクラちゃんは、どんなタイプが好きなんだ?」
仲間内でドンチャン騒ぎしている中、ナルトが唐突にサクラに訊いた。
「へ?」
サクラは、箸を止めてきょとんとしている。
「だから、サクラちゃんの理想を知りたいんだってばよ!」
さっきまでのドンチャン騒ぎがうって変わって、水を打ったように静かになり、誰一人動きもしない。
誰一人と言っても、オレこと奈良シカマル以外の連中だけどな(あとヒナタといのとテンテンとかいう一期上の奴もか?)。
オレは、サクラの真正面の席で肘をつくという、何とも行儀の悪い姿勢で酒を飲み続けている(オレ達一応二十歳だからな)。
酒の入ったサクラは、頭の回転が遅くなっているらしく、少し視線を上に泳がせた。
「そんなのサスケくんに決まってるわよね〜、サクラ」
いのが、サクラの肩をバシバシ叩きながら大笑いしてる。
そのいのの言葉にサスケは、顔をかすかに赤くしている。
周りの野郎共は、サスケにガンとばしてる。
そんな中サクラが、それは昔の話よーって笑い飛ばして、サスケの顔がひきつった。
「昔と今は、全然理想は違うわよ。クールでかっこいいだけじゃね」
「じゃ、どんな男がいいんだってばよ!」
ナルトの言葉に、固唾を飲んで答えを待つ野郎共(いくら何でも露骨すぎるだろ、その態度)。