壱
□貴方+空白の時間×私=
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「サクラちゃん、ちょっと付き合って欲しいんだ」
里に帰ってきて早々、ナルトは私を誘った。
「サクラちゃん、オレサクラちゃんが好きだ。オレと付き合ってくれないか?」
ふざけてよく好きだって言われてたけど、今は違う。
三年であんたは、凄く変わった。
本気なのね…
「…ごめん、ナルト」
「…うん、サクラちゃんがサスケのこと好きだってこ「違うの…」
ナルトは、訳が分からないって顔してる。
「違うの…サスケくんじゃないの」
ごめんね、ナルト。
あんなにサスケくんって言ってたけど、サスケくんじゃないの。
「三年前サスケくんは里を抜けて、あんたは、修行で里を出た」
ナルトの青い瞳が、私を真っ直ぐ見ている。
「すごく淋しかった。そんな時、毎日毎日私のところにキバが顔を出してくれたの」
自分だって大怪我したのに、大変だったのに、辛かったはずなのに…
なのに、毎日私のところに来てくれたの。
「いつも、よっサクラなんて偶然を装って、部屋に引きこもってた私を外に連れだしてくれたの」
「私が、考えすぎないように、一人で泣いたりしないようにって…」
ナルトは、何も言わずに聞いてくれている。
綱手様のもとで修行を重ねる日々が始まっても、変わらずに顔を出してくれた。
よっサクラって。