壱
□私×初恋=
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机に突っ伏してだだをこねるサクラ、たしなめているシカマルもだるそうに手を動かし、今にも眠ってしまいそうな面持ちだった。
「シカマル」
「何だよ?」
シカマルは面倒くせーが口癖なのに、話し掛ければいつだって答えてくれる。
「変わったよね、シカマル」
何よりもその中忍のベストが似合うようになった。
だるそうな態度は相変わらずだけど、身体も顔つきも精悍になったよね。
ねぇ、シカマル知ってる?
道を歩くあんたを振り返るコ増えてるんだよ?
ほら、今だって部屋の入口のとこのコだってシカマルを見てる…
「オレをそう思うのは、お前も変わったんじゃねの?」
シカマルは、資料から目を離さずに答えた。
サクラは正面から頬杖をつくシカマルを見つめた。
うわぁ、今の顔ひどっ!頬杖の手がずれて顔ゆがんでる、かっこわる〜
「何なんだよ、さっきから。仕事しろ、仕事!」
シカマルが急に顔を上げて、真面目な顔で言った。
あっ、この顔かっこいいかも…
「サクラ、聞いてんのか?」
「!?えっ、何?あぁ、聞いてるわよ」
「今日お前変だぞ?」
恥ずかしい!
私今何思ったの!?
シカマルかっこいい…?
うわぁ、何か顔が熱くなってきた、どうしよう!誤魔化さなくちゃ!
「と、トイレに行きたかったのよ!」
「は?さっさと行ってこいよ。てか普通男にトイレ行きたいなんて言うか?」
「良いじゃない、行きたいんだから!」
「あー、分かった、分かった。早く行ってこい」
ほれほれと手を振るシカマルに勢い良く背を向けて、私は足早に部屋を出た。
出るとき、シカマルを見てた女の子二人が意を決したように歩き出すのを見送った。