捧げ物

□暑中お見舞い小説
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水時計が落ちる間に




『くるくるくる』




「まだかな…」


水時計はくるくると回りながら次々と青い粒を落としてゆく。


「遅い…」




「サトシ待たせたな」

「シゲル遅ぇーよ!!」

「そんな怒んなよ」

「じゃあキスして」

「はぁ?」

「キスしてくれたら機嫌が直るかも」

「何を言ってるんだ…」

「ハイ、どーぞv」


そう言うとサトシは目を閉じて唇をつきつけた。




『チュッ』




「………なんだよ!これぬいぐるみじゃねーかよ!!」

「お前に俺のキスはまだ早い」

「なんだとっ!!」

「後、数年待ってろ」

「なら、俺が力ずくで奪ってやる!」




『ドカッ』




「…調子に乗るな!ほら行くぞっ!!」

「はい、わかりまひた…(泣)」


サトシは殴られた腹を擦りながらシゲルの後をついて行った。


ちょっと悔しいけれど、長くて短いようなこんな三分間がなんとなく、好き。


終。




あとがき

タカツキソウヤ様に捧げた暑中お見舞い小説です。
頭の中に突然湧いて出てきた小道具「水時計」。
せっかく出てきてくれたのだから、小説に組み込んでみようと書いたのがこの作品です。
暑中お見舞いと銘打っている割りにあまり夏っぽくないです(汗)

ちなみに、このあと二人はカ〇ピス(もちろん飲めるのですよ!)を手土産にタカツキ様のお宅に夏のご挨拶をしに行くという謎の裏設定が存在します(笑)


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