05/24の日記

18:46
State of Love @
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「ふざけんなっ!」


ガシャン──!

突如上がった声に、静寂だった店内の視線が一斉に降り注ぐ。
勢いよく立ち上がった拍子に、テーブルクロスに皺が寄り、食器同士が小突き合っている。


(なんだ?)


一介のフランス料理店『バラティエ』で、昨日クビになったボーイ──なんでも「日曜はバイトを入れてはイケナイ病(持病)」らしい──の代わりを務めていたサンジも注目していた。


「ちょっ、ちょっとやめてよ、みっともないっ!」


(さっきのお姉ちゃんの席か…)


怒鳴り声を上げた客の連れに自然と目先が移る。大きな猫の様な瞳にオレンジの髪、柑橘系のパフュームの香る女性だった。
店に入って来た時から、気にかかっていた。
席に案内し、椅子を引いて誘う。「アリガト」と微笑まれると、サンジの口元は緩み──


(モロタイプなんだよなぁv)


再び思い出し、鼻の下も伸びていた。
 
 

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