05/27の日記
05:06
State of Love C
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「他のお客様のご迷惑となりますので…」
その金髪のウェイターは、左手を胸に添え、しゃなりと頭を下げる。その様はとても紳士的に見えたが、右手は出口へ差し向けられ──
「とっととご退店しやがれクソ野郎。」
立てられた親指は ”Go to hell──”
「てめぇっ、ケンカ売ってんのかぁっ!」
(な、なんなの一体……)
ナミの目には、明らかにウェイターから吹っ掛けているようにしか見えなかった。否、そこに居合わせた全ての人がそう思っただろう。
最初は関わるまいと目を背けていた客さえも、今ではナミ達のテーブルに釘付けだ。終いには、厨房にいた者達もホールに出て来た。
「サンジッ! おめぇ何やってんだ!」
「この店は客に対して随分とナめた接客すんだなぁっ、えぇっ?!」
連れの男は、まるでチンピラのようにテーブルを蹴り飛ばした。
高価そうな皿に着飾られた、メインディッシュのローストビーフが宙に舞い、床に叩き付けられた皿の破片が飛び散る。
「きゃっ!」
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