05/28の日記
13:59
State of Love D
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割れた皿に視線を奪われた隙に、ナミは連れの男に引き寄せられた。
「痛っ、痛いってば離してよ!」
飛んで来たテーブルを難無く避け、サンジは胸ポケットからタバコを取り出した。マッチで火を灯し、勢いよく吸い込むと五臓六腑に染み渡る。天を仰ぎ煙を吐き出すと、そのまま──
「大体もとはと言えばナミ、お前がぁぢぃ!」
ナミの髪を掴んでいた、男の手の甲へと煙草を押し当てた。堪らず、男は飛び退く。
「お怪我は無いですか、マドモアゼル」
「え、えぇ…」
「危ないから下がっていて下さい」
何事もなかったかのように、慣れた手つきで解放されたナミの手を引き、後ろへ下がらせる。
「こんのウェイター、舐めやがって…」
男の手には、小型ナイフが握られていた。その矛先は違う事なく、サンジに向けられている。
「オイ、サンジやめろっ!」
サンジの身を安じてか、店の他の店員からも制止の声が上がる。
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