06/19の日記

06:54
It's a wonderful world F
---------------
 
 
「言っとくけどあんたの為じゃないからね! 私がヤだからよ!」


クソ嬉しい──。
ヘリクツすら、愛の賛美歌に聴こえてしまう。


「ほら、番号言うからさっさと登録しなさいよ!」


「まっ、待って!」


慌てて番号を打つ。 登録名は、もちろん「ナミさんv(絵文字)」だv


「んじゃ、ワン切るよ?」


本当にまだ買ったばかりなのだろう。今時あまり聞きなれなく、電子音が響く。これから好きなアーティストなんかの着メロを、おれ限定の着信音なんかにしてくれちゃったりしてvv──などと空想に耽るも、次の言葉に打ち消された。


「先に言っとくけど、私からはTELしないわよ。」


「なんで!?」


「お金かかるじゃない。」


きっぱりと言い放たれ、二の句を告げない。つまり彼女の中では、愛<金というワケだ。
そう言えば…


「なんでそんなにお金が必要なの?」


流石に「お金の為に体売ってるってホント?」などとストレートには聞ける程、おれは無骨ではない。
何にせよ、彼女が金を要しているのは真実だ。それでも口を開こうとしないのは、深い理由があるのかも知れない。
 
 

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ